2010年06月15日

視覚の隙を突いて、空間をねじ曲げる。アニッシュ・カプーア(Business Media 誠)

 インド生まれ、イギリス在住の現代彫刻家アニッシュ・カプーア。個展が6月19日まで、東京・谷中のギャラリーSCAI THE BATHHOUSEで開催中だ。

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 アニッシュ・カプーアは、1954年、インドのムンバイ生まれ。1970年代にイギリスに留学し、現在はロンドンに在住している。1980年代からイギリスを中心に彫刻作品やパブリックアート作品を多く発表し、1990年のヴェニス・ビエンナーレの英国館の代表になり世界中から注目を集め、イギリスを代表するアーティストとなり現在も活動を続けている。

 カプーアは、ステンレスや石、アクリル、ファイバーグラスなどさまざまな素材を用いて彫刻作品を作るが、造形的には抽象的で非常にシンプルな形が多い。しかし、それがひとたび空間に置かれると、光の反射や吸収、写り込みなどの効果で、空間の概念そのものが揺るがされてしまう。

 金沢21世紀美術館の展示室にぼっこりと開いた大きな穴の作品「世界の起源」や、2002年にロンドンのテートモダンで行った巨大な朝顔のようなインスタレーション「Marsyas」といった、大規模な美術館でのコミッションワークで、彼の作品を見たことがある人も多いのではないだろうか。今回の展示では、新作を含めてカプーアが扱う多彩な素材による作品が堪能できる。

 上は1979-80年の作品「1000 Names」。非常に粒子が細かい顔料(Chalk Powder)が山のようになっており、そこにぽっこりと穴が開いている。これは、彼の作品アーカイブを見ると、アーティスト活動を始めた初期の頃、80年代に多く作られている作品で、白のほか、原色の赤、シアン、イエロー、黒などの顔料も使用されている。

 この作品を見て、日本の「香道」を思い出した。香道では、灰手前といって、聞香をする際に小さな灰の山を作り、そこに炭団をくべて香を聞くのだが、精神統一をして心を空にしていないとなかなか美しい灰の山は作れない。

 ところ変わって、インドでは顔料や砂を用いて曼荼羅(まんだら)を描く。思いの対象は違えど、1つの非常に繊細な所作を通して、自身の内側へ入っていく、その根底にある気持ちは変わらないのではないだろうか。

 この作品も、非常に繊細な粒子を用いて緊張感のある造形を形作る。どんな思いで作られたのかは想像するしかないが、このシンプルなかたちの中には「祈り」の気持ちがあるように感じられた。

 展示室の全景。写真左と奥の作品が、今回の展覧会で初めてお披露目となった新作である。左の作品「Untitled」は、三角形でできたステンレススチールを幾何学状に並べて円形にした作品。遠くから見ても迫力のある彫刻だが、ぜひいろいろな場所に立って作品を眺めていただきたい。

 目の前に立って動いてみるとよく分かるが、球面に敷き詰められた三角形の鏡は、1枚1枚が違う風景を写し出す。作品の前を横切ったり、近づいたり離れたり、いろんな動き方をしてみてほしい。作品はその度に表情を変えるし、新しい視覚体験が味わえる。酔いやすい人は注意が必要かもしれない。

 奥の作品「Untitled」も新作だ。これは石川県の「戸室石」で作られており、重さは3トン。そして、この美しい朱塗りは、同じく石川県の職人によるものだ。つるんとした漆塗りの肌は、触れたくなる艶やかさと、触ったらそのまま吸い込まれて、どこか違った世界へ行ってしまうような、なんだか危険な匂いも感じる。

 手前のアクリル作品「Untitled」は2007年に制作されたもの。一点の濁りもないアクリルの円柱の中にまるで内臓のような気泡が閉じこめられている。これも見る角度によって中にあるものの形が変わるし、このアクリルを通してその奥にある漆やステンレスの作品を見るとまた違った作品に見えてくる。

 もちろん、作品を見て宇宙を感じてもいいし、日々の自省の念に浸ってもいい。だが、ひとまずはあんまりいろいろと考えずに作品を体験してみてほしい。ただ作品の前に行くだけで、胃のあたりがぞわぞわっとするちょっと不思議な視覚体験ができるだろう。6月19日まで。

●アニッシュ・カプーア展

開催中〜6月19日(土)

SCAI THE BATHHOUSE 東京都台東区谷中6-1-23柏湯跡

Open.12:00〜19:00、日月祝休

【上條桂子,エキサイトイズム】
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posted by ホンダ カナメ at 20:41| Comment(12) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月10日

他人まね嫌う大阪人…ラーメン根付かぬ文化のなぜ?(産経新聞)

 ゴールデンウイーク明けの5月初旬。大阪・ミナミの居酒屋にラーメン部員が集まり、今後の方針について、意見をぶつけ合った。

  [フォト]ラーメンバトル個性派ズラリ!優勝「牛タンラーメン」の実力は?

 「大阪には地域色のあるラーメン文化がなんで根付かないんやろう」

 「大阪といえば粉モン文化。ラーメンも一種の粉モンなのに不思議ですよね」

 実は意外にも大阪はラーメン店が少ない。電話帳に登録されているラーメン店を調べてみると、大阪は人口1万人あたり1.2店(東京は3.1店)で全国最低。ちなみにうどん店は約2倍の2.2店。この数字だけを単純に比較すれば、大阪人はラーメンよりむしろ、うどんを好む傾向ということになる。

 とはいえ、大阪が全国ワーストというのはあまりにも寂しい。なぜ大阪にラーメン店が少ないのかという疑問は残るが、まずは「究極の一杯」を目指したラーメン作りにこだわりたい。そのヒントを探るべく、「自分は博多ラーメンで育った」と豪語する伊豆丸亮が立ち上がった。

 向かった先は、今年4月にオープンしたばかりのつけ麺専門店「宮田麺児」(大阪市中央区)。お笑い芸人、シャンプーハットのてつじ氏(34)がプロデュースしたことで話題になった店でもある。

 「フランスパンも麺やで」「小麦は絶対に裏切らへん!」。伊豆丸の取材を快く受けてくれたてつじ氏だが、さすがは「つけ麺王子」と呼ばれるだけあってコメントもひと味違う。「ラーメンにしろ、うどんにしろ、大阪の麺食はメーンがスープ。麺の地位が不当に低いんです」

 これはギャグなのか、それとも本気なのか。戸惑う伊豆丸をよそに麺へのこだわりを熱く語ったてつじ氏。取材が一段落した後、伊豆丸は勧められるがままに3杯をあっさりたいらげてしまった。

 空腹を満たし、趣旨を忘れかけた伊豆丸だが、ここでようやく本題を切り出す。「大阪にご当地ラーメンがないのはなぜ?」。てつじ氏の答えは明快だった。「大阪は何でも受け入れてしまって、特化しないんですよ」

 良いものは素直に受け入れる半面、型にはめられることを嫌う「気質」。大阪人特有の感性が、ご当地ラーメンを根付かせない背景にあるのか。ただ、究極のラーメン作りを目標に掲げる以上、途中で投げ出すわけにはいかない。

 ここでもう一人、ラーメン部が送り出したのは、一流フランスシェフの息子で「食通」を自称する藤谷茂樹。関西グルメ雑誌「ミーツ」などで執筆するグルメライター、曽束政昭氏(41)に大阪のラーメン事情についてうかがった。

 「大阪はうどん文化が色濃く、ラーメンの入る余地が狭かった。それに、大阪人には『ただ真似すんのはいや』という気質もあり、『この食材をみんなで使いましょう』となりにくい」

 とても丁寧な語り口の曽束氏だが、藤谷が「大阪のご当地ラーメンを作りたい」と尋ねると、一転して厳しい視線を向けた。「それは難しいですね。例えば河内鴨と泉州の魚介など、3つの地域が融合しないと大阪らしさは出ない。でも、うまくまとまりますかね…」

 考えてみれば、有名なご当地ラーメンは、店によって多少の違いがあっても、スープの味や麺作りのベースは同じだ。大阪の食材でどう表現するか、ポイントはそれに尽きる。

 取材を終えた藤谷を囲んでミナミに集結したラーメン部。さっそく“壁”にぶち当たり意気消沈したのか、いまひとつ盛り上がらない。すると、田中一世が突然テーブルをたたいて言い放った。

 「こうなったら指折りのラーメン職人に協力を仰ぐしかないですよ」。ラーメン部の危機を乗り越えるべく、わらをもすがる思いで再びあの男を訪ねた。

 ★これまでのあらすじ★ 大阪のご当地ラーメン作りを目指し、産経新聞大阪社会部の記者たちが勢いだけで結成した「大阪ラーメン部」。達人として名高い「支那そばや」店主、佐野実氏を訪ね、食材の大切さなど貴重なアドバイスをいただく。

 ■田中一世(30)

 千葉県出身。5年間の大学生活で「主食はラーメン」が定着。

 ■藤谷茂樹(28)

 千葉県出身。最近よくラーメンを食べる。彼女も募集中。

 ■伊豆丸亮(33)

 福岡県出身。外食マニア、エンゲル係数は「K点越え」らしい。 

 35歳以下の記者で取材・執筆しています。投稿やお便り、質問は下記のアドレス(月刊オーサカ箱【U35】編集部)までお寄せください。

u35@sankei.co.jp

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2010年06月07日

<トキ放鳥>「若い方が適応早い」0歳4〜5羽も(毎日新聞)

 新潟県佐渡市で3月、野生復帰に向けて訓練中だったトキがテンに襲われ9羽が死んだ事故で、いったんは白紙になった3回目の放鳥。2日、同市で開かれた環境省のトキ野生復帰・飼育繁殖合同専門家会合で、11月に15羽程度で行われることが決まった。

 会合では、天敵対策や、放鳥するトキの数、訓練の期間などについて専門家らが意見を交わした。3次放鳥については、委員から「順化ケージの補修工事後、本当にテンが侵入しないか検証が必要だ。そのために訓練期間が短くなると(野生下でトキが)死ぬ確率も高くなるので、余裕を持つために来春放鳥する方がいいのでは」との意見も出た。

 結局、訓練の期間は少なくとも3カ月は必要とし、ケージの補修工事が7月末には完了し、8月上旬から訓練を始められるという前提で、11月中に放鳥することを決めた。

 また、放鳥するトキについて、委員から「若い方が適応が早い」との意見が出て、今春生まれた0歳の4〜5羽も加えることにした。

 野生復帰専門家会合の山岸哲座長は「ようやく野外の個体が増えてきて、そのデータを飼育や放鳥の選定に役立てることができるようになってきた。これまでの放鳥の流れを止めたくない。今春の繁殖は厳しい状況だが、トキが学習して野外の生物と共生できるようになってほしい」と話した。【川畑さおり】

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